ご挨拶

次代を担う子どもたちの明るい未来に向けて

社会福祉法人慈徳院
理事長 北尾 吉孝

近年、我が国の子ども家庭福祉は、深刻な問題を抱えています。その一つは「子どもの虐待」の問題です。2012年度に全国の児童相談所における児童虐待対応件数は、国の発表(速報値)によると6万6千件を超えているということです。国、地方自治体、民間団体などが様々な取り組みを進めていますが、子どもの虐待問題は増加の一途をたどっています。誠に憂慮すべき状況にあります。SBIグループは2002年、社会貢献活動として児童福祉施設等への寄付を行うことを決定し、全国の施設への寄付活動に取り組んでまいりました。2005年には、現在の「公益財団法人SBI子ども希望財団」の前身の「財団法人SBI子ども希望財団」を設立、寄付活動とともに、児童の自立支援、児童虐待防止の社会的啓発運動であるオレンジリボンキャンペーンへの支援、児童養護施設等に勤務するケアワーカーを対象とした研修事業を実施しているところでございます。

私は以前からこの公益財団法人の活動とは別に、情緒障害児短期治療施設(情短施設)の設立が急務であると考え、これまで情短施設のなかった埼玉に社会福祉法人慈徳院を設立し、2007年12月にこどもの心のケアハウス嵐山学園を開設いたしました。この地は、私が以前から私淑しておりました安岡正篤先生が農村青年の教育と農村の指導的人材を育成することを目的に1931年に設立した日本農士学校の跡地の一部であることを知り、まさに縁尋の機妙を感じました。施設に入所してくる子どもたちの多くは被虐待など苛酷な生活を経験しています。傷ついた心を癒し、それぞれの課題を克服しながら、希望をもって自立に向けた第一歩を踏み出すことができるような支援を行ってまいりたいと思います。私どもの取組はささやかではありますが、この輪が大きく拡がり充実したものとなりますよう皆さまの温かいご支援をお願い申し上げる次第でございます。

社会福祉法人慈徳院 こどもの心のケアハウス嵐山学園」の運営を通じて、虐待等で心に傷を負い心理的治療を必要とする児童のために使われます。

皆様のご理解と温かいご支援を賜りたく
お願い申し上げます。